2020-07-15

高級車の顔をして怒濤のハイパワー。あれこれいろいろ超越したC63 AMG

ものすごく当たり前のことですが、エンジンというものは排気量が大きいほどパワーが出ます。
パワー。日本語にするとチカラ。トップギアのジェレミーさんはハイパワーなクルマの加速で感極まると「ぱぅわぁあああ!」なんて叫んでましたが、パワーは直接快感に結びつきます。パワー・オブ・エクスタシーです。って、ロールスロイスさんとホンダさんがごちゃ混ぜになってしまいましたね。



パワーの悦楽




エンジンの場合、軸を回そうとする回転力を「トルク」、それに回転数をかけたものが「馬力」なわけですが、このトルクというのはやっぱり排気量、ちょっと感覚的なんですが「単気筒当たりの釜の大きさ」が大きく効いてくるような気がします。ある程度の回転数から「くわあぁぁぁん」と盛り上がってくる馬力に対して、踏んだ瞬間からいきなり「どかん」と来るチカラとでもいいますか。



大排気量の贅沢




近頃台頭してきたダウンサイジングターボというやつは、確かによくできています。ターボというと昔は下(低回転)がふにゃふにゃで、効き始めるとドカーンとくるいわゆる「ドッカンターボ」なんていうのが多かったですが、いまのはもう本当に「排気量ごまかしてますよね」っていうくらいに自然にゆったりとしたトルクを感じさせてくれたりします。



進化してます、奴ら(誰?)



でも、人間の足の感覚、加速センサー、そういうものは思いの外優秀なんでしょうか、やっぱりなにか違う、っていうのは感じるんですね。
むかしカセットテープのあと、今のようなメモリーオーディオになるまでの少しの間に「MD」というのがありました。音声圧縮技術によりCDに匹敵する音質、なんていわれてましたが、聞き比べるとやっぱりCDよりはだいぶ音が落ちてるよなあ、って感じでした。どちらも光でデータを読み出すディスクで、CDに比べてあれだけ面積が小さいのですから、データ量はものすごく少ないはずですよね。それをいろいろ妖しのデータ圧縮技術を駆使して、スペック上の周波数特性やらSN比やらは立派なものだったんですけどね。





反対に、大昔の蓄音機。あれって実は針先でレコードの溝をなぞって、その振動を純粋に機械的に増幅するというものすごくシンプルな機械なんですね。アンプとかそういう電気ものを介さないという。スペック上の音質は酷いものなんですが、実際に聞くとこれがまあ「箱の中に人が居てる?」っていうくらい生々しい音がしたりします。



機械上や機構上のいろんな要因が絡んでそうなるんでしょうけど、感覚的にはあの大きくて重い円盤に片面で数分しか入らない(78rpmですからね)という密度の低さがいいような気がします。



人の感性に訴えかけてくるということでは「物量」にかなうものはないのでしょう。
カロリーゼロのコーラは確かに甘いけど、どうも甘さが荒いというかすさんだ感じ(飲料メーカーさんごめんなさい)がするよなあ、っていうのとももしかしたら通じるかもしれません。



いま、6.3リッターのAMGに乗れる幸せ




長々と脱線してしまいましたが、やっぱり「気持ちの良いパワー」には「大きな排気量」という正統派の物量に勝るものは無いと思うんですよね。
AMGを含めて、メルセデス・ベンツに関してはこのブログで今までさんざん書いてきました。それはもう、押しも押されもしない高級車ですし、アウトバーンで育ってきた高速性能と居住性に「穴」などあるわけがない、パーフェクトな乗用車でしょう。



そんな中でもおそらく最大排気量、しかもAMGが製作したハイパワーなV8エンジンを搭載したC63 AMG。たとえば同じ6リッタークラスでもV12と比べると、釜が大きいぶんおそらくパワーの出方もより「官能的」であることは間違いないでしょう。6208cc、457PS、600Nm。まさに恐竜のようなエンジンです。



世の中が正しく、賢く、エコになっていく時代。おそらくこの先、こういうモデルは出てこないのではないでしょうか。今だったらまだ10年経っていません。罰ゲームのような税金の割り増しまで、いま少し時間もあります。って、これに乗ろうという人がそういう細かいことを気にするとも思えませんが、それだけまだ年式が新しいということです。楽しむとしたらいまじゃないでしょうか。



[ライター/小嶋あきら]

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