2020-09-10

ベンツ500SL、真のフラッグシップを知る者の渋い選択

「いつかはクラウン」というキャッチコピーがありました。言うまでもなく自動車というものは高い買い物であって、そして同時にステータスでもあるということを示しているわけですよね。



500SL、真のフラッグシップを知る者の渋い選択




新入社員から中堅になって、偉いさんになる。その出世に合わせて身分相応のトヨタ車を買ってくださいね、という戦略ですね。



実際、日本の人のクルマの買い換えでは「もう十年も乗ったし、そろそろ次のに乗り換えようと思う。とりあえず今世話になってるディーラーで、予算に合わせて」というパターン、ありがちですよね。そう、経済状況に合わせてクルマを選ぶ。裕福になるに従って高いのに乗り換えて、最後にそのメーカーのフラッグシップモデルに乗る。当たり前です。



一番高いのにいってしまう心理




しかしこれが外車になると少し違ったパターンがあるようです。そう、ベンツやBMW(二輪車も含めて)、ハーレーなどの場合、日本ではなぜか「フラッグシップ以外売れない」という傾向が見受けられるように思うのです。



いや、もともとリーズナブルなクラスが売れないということはないでしょう。BMWの3シリーズとか魅力的なモデルですし、ハーレーの883などはフルサイズとはまた違った魅力がありますし。でも、たとえば BMWの735とか、フラッグシップの少し下」という辺りが不人気になってる印象があるんですよね。以前よくBMWの二輪車のディーラーに遊びに行ってたのですが、そこである程度年配の人がふらっとやって来ていきなりサクッとお買い上げ、という場面を何度か見ました。そんな時彼らはどれにしようかとあまり迷うことなく「とりあえず一番ええのんにしとこか」と、そういう選び方をされるのですね。



どちらにしても高い買い物。どうせ買うんだったら一番高いのを買っておこう。大は小を兼ねるやないですけど、一番大きなエンジンのを買っとけば間違いない、っていう感じなんでしょうか。



並行物だからこそ、いま目の前に居るこの500SL




そんなこんなで、日本のディーラーではこの「フラッグシップのひとつ下」とされるモデルを最初から正規輸入しない、ということがたまにあるように思います。



しかしメルセデス・ベンツのR107タイプの500SLは、ちょっと違った理由で国内に正規輸入されなかったモデルです。560SLがあるから敢えて500SLは入れなかった、というのではないんです。実は本国を含むヨーロッパでは、500SLこそがフラッグシップだったのです。ただ、日本やアメリカは排ガス規制が厳しく、その基準をクリアするためにはかなりパワーダウンを強いられることになるんですね。それで、そこを排気量で補うために敢えて作られたのが560SLだったんです。それでも結果的には500SLよりも少しアンダーパワーになってしまったんですが。



いま目の前にあるこの素敵な500SLは「並行輸入物だからこそ日本に入ってくることができた」ということで、ここは正規輸入物に対するアドバンテージというか、ことクルマ好きにとっては何でもかんでも正規物が一番というわけでもないという一つの例かもしれませんね。



いい時代の粋な高級クーペ、いまこそ乗ってみませんか




1989年、バブル経済に沸いていた時代をまだまだ引き継いでいた日本にやってきたドイツの伊達男。帝王・メルセデスベンツが「コストカット」なんていう小賢しい風潮に巻き込まれて堕ちていく前の、真に高級なスポーツカーをぜひ味わってみてください。



[ライター/小嶋あきら]

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